音楽を主食とする化物ブログ

 

                                       視聴したアルバムを図々しくちょい辛口で批評したりします

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きくお「きくおミク2」(2012) レビュー 

きくおミク2


ニコニコ動画にて主にVOCALOIDを用いた楽曲を発表し、本業でもフリーのサウンドクリエイターとしても活動しているきくお氏の2ndボカロオリジナルアルバム「きくおミク2」を紹介します。

きくお氏のアルバムは以前に1stボカロオリジナルアルバムの「きくおミク」も当ブログで取り上げているので、そちらも良かったらご覧下さい。(リンクはこちら


[全曲レビュー]

1. 楽しい楽しい悪夢へおいで  ★★★

45秒のプロローグ。このまま展開入れても良いんじゃないかってくらいメロや雰囲気が良いのですが、そこを出し惜しみしない辺りにアルバムへの熱量を感じます。

2. 幸福な死を  ★★★★☆

幻想的な入りからグワングワンとしたワブルベースがうねるイントロへの開放感が圧巻。これでもかというほど静と動をつけているのですが、微塵も地味だとか五月蝿いだとかそういったものは感じず、ただただ美しい曲。

3. 赤ずきんの狼  ★★★★★

本作のベストチューン。非常に歌詞やメロディが良いだとか構成やメロハリに富んでいるだとかといったことは勿論として、遊び心のある音ネタがわかりやすく散りばめられていて、至極真面目でお洒落な曲ながら「赤ずきん」という童謡の幼さが雰囲気としてよく表されている気がします。いつまでも聴いていたい名曲。

4. 君が死んでも許してあげるよ  ★★★★

いつもの幻想的な雰囲気にカントリーチックなフレーバーを加えたような楽曲。心地よいビートとメロディー。

5. 水の中で  ★★★★

タイトルの通りフワフワと水に揺らんでいるような1曲。ストリングスが良い雰囲気を醸し出しています。意外と展開が一筋縄でいかず、色々な方向へ分岐していき突然我に返るような感覚が面白いです。

6. 世界で一番優しい死神  ★★★★

溶けるような感覚に陥る静かな1曲。α波が出ていて少し眠たくなりますが、良い曲です。抱擁されているような安心感を感じさせますね。そして安心を与えた後にM7へと続くところが笑えます。

7. 塵塵呪詛  ★★★★☆

今アルバムの問題作1。こんなのきくお氏にしか作れないんじゃないでしょうか。宗教音楽だとか民族音楽だとかを連想させる雰囲気で、且つとんでもなくポップで聴きやすい楽曲。発想がぶっ飛んでいますが構成やアレンジの巧みっぷりは流石といったところ。ノレる宗教音楽という唯一無二のジャンルへ到達しています。

8. ぽっかんカラー  ★★★★

兎眠りおんというVOCALOIDのデモソングとして作られた楽曲。リズミカルでゲーム音楽を彷彿とさせる明るい曲調ですが、どこか切なさを感じるメロディーと歌詞がきくお氏らしいですね。

9. 星くずの掃除婦 ReArrange ver.  ★★★★

1stアルバムに収録された同名楽曲のセルフアレンジ。原曲からより静かに柔らかな雰囲気になりました。完全に原曲の上位互換、というわけではなく、どちらも甲乙付けがたい名曲です。

10. さかさまうちゅう  ★★★★

Miku Creator's Project on Google+という企画で4時間で作り上げた楽曲。詳しくはこちらを参照ください。音作りへの妥協はしたくないとのことで1分30秒と短い作品になりましたが、個人的には是非フル尺でリアレンジしてほしいぐらい好きな曲です。きくお氏のファンタジーな感覚世界が全面に押し出されていて、1秒で持ってかれます。

11. ごめんね ごめんね  ★★★★★

今アルバムの問題作2。エグい表現が多用される歌詞とアコーディオンの美しさの対比が素晴らしい。そしてM2よりも更に低音が攻撃的なワブルベースが非常に良い味を出しています。Aメロ→Bメロ→サビと王道的な構成ですが、この流れの気持ちよさはアルバム1ですね。

12. そして君は月になった  ★★★★

ラストトラック。1stの「僕をそんな目で見ないで」に近い雰囲気と構成ですね。こちらはおもちゃ箱の中でおもちゃのオーケストラが演奏しているような可愛らしさを感じます。一方で、命がボロボロと崩れ落ちていくような破滅的な歌詞は哀愁を増幅させていてこちらもまた素晴らしい。きくお氏の楽曲は、歌詞とメロディとアレンジの相互作用に真髄が見えますね。


[総評]

退廃的な死生観を感じる歌詞は1stと変わらず魅力的で、さらに1stと比べてアルバム全体のメリハリとポップさが強くなったと感じました。特に顕著なのはM2やM11といったワブルベースをふんだんに用いた攻撃的な音の楽曲。そしてその前後であるM1とM12に持ってきている特に静かな楽曲。これらが大きなアクセントとなってアルバム全体に大きなうねりを出し、一つ一つの濃い楽曲群を匠にまとめあげているのだと感じました。そしてその楽曲群も上で述べている通り本当に幅が広く面白い楽曲ばかりなのが凄いです。一つ一つ細部までこだわりぬいているので初めて聴く時も安心感や期待があり、その期待を軽く超えてくるような富んだ発想がありと、少なくとも楽曲の構成力の面では若手の中でも飛び抜けているのではないでしょうか。ただこの方の特徴として、楽曲の音数が多いので、綺麗にまとめあげているとはいえ聴き疲れを起こす部分もあるかとは思うのでそこだけ惜しいと感じるところですかね。やはり音数を多くして豪華に聴かせるよりも、なるべく少なくシンプルにまとめあげる方が芸術としてより良い姿なのではないかと自分も思うところはあるので。とかなんとか言うものの名盤であることに変わりはありません。これからどう変化していくのか楽しみなクリエイターです。と、このまとめ文句は最新のアルバムのレビューで言うべきですね(笑)

★★★★☆





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Posted on 2014/04/25 Fri. 14:26 [edit]  /  TB: 0  /  CM: 2

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コメント

レビューを待っていました

2012年のベスト5に入れるくらい大好きな作品です。

M2~4の流れが凄まじくて特に好きです。後半も起伏に富んでいて、確かに構成力の向上は見られますね。決して万人受けはしない作風ですが、根底にあるポップな部分が強く反映された作品だと思います。

私はすでに書いたのですが、「3」のレビューも楽しみにしております。

hawaiibem #- | URL | 2014/04/26 20:10 - edit

Re: レビューを待っていました

hawaiibemさん、コメントありがとうございます。
ようやくきくおさん2つ目出せました。新しいボカロアルバムが発表される前に3rdもレビューあげたいですねー。

>決して万人受けはしない作風ですが、根底にあるポップな部分が強く反映された作品だと思います。
自分もそう思います。全く受け付けないかとことんハマってしまうかの2極化を迫られるようなストイックさを感じますね。

長いねむけ #- | URL | 2014/04/27 14:23 - edit

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