音楽を主食とする化物ブログ

 

                                       視聴したアルバムを図々しくちょい辛口で批評したりします

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Klaus Nomi「Simple Man」(1982) レビュー 

Simple Man

ドイツの歌手、Klaus Nomi(クラウス・ノミ)より、2ndアルバムの「Simple Man」を紹介します。

クラウス・ノミは1944年頃ドイツのバイエルン州で生まれ、少年時代にアメリカのソプラノ歌手であるマリア・カラスに影響を受け自身もソプラノ歌手を目指し、ベルリンの音楽学校を卒業してから歌手活動に勤しんでいました。

1979年頃にデヴィッド・ボウイのバックコーラス(兼ダンサー)としてその奇抜なファッションと確かな実力でパートナーのジョーイ・アリアスと共に脚光を浴び、1981年に個人名義のアルバムをリリース。そして翌年に今作である2ndを続けざまにリリースしました。(ボウイはノミの個性を気に入って自らバックコーラスの参加を希望したそうで、やはり見る目も一流だと思います)

しかし2ndアルバムリリース後の1983年、AIDS発症により惜しくも亡くなってしまいました。彼はAIDSで死亡した最初の著名人としても知られているそうです。

彼の歌唱スタイルは前述したようにソプラノのオペラ歌唱が下地となっていますが、歌う楽曲はオペラを始めニューウェイヴ、ディスコ、ダンスなど様々なジャンルに挑戦しています。そこが彼の大きな特徴でもありますね。

ジャケットから漂う際物感で敬遠される方もいらっしゃるかとは思いますが、素晴らしい個性と音楽性が詰まった1枚です。どうか一聴してみてください。

それでは以下全曲レビュー&総評。


[全曲レビュー]

1. From Beyond  ★★★☆

退廃的で静かなプロローグ。無機質な雰囲気があり、黄泉の国にさ迷い込んだような錯覚を覚えます。

2. After The Fall  ★★★★☆

サビの開放が印象的な1曲。明るい曲調の中にどこか哀愁を感じるのはノミの魂がこもった歌唱のせいでしょうか。

3. Just One Look  ★★★★

リンダ・ロンシュタットの楽曲のカバー。原曲よりもテンポが速く、シンセがポコポコとスカのようなノリで刻まれる楽しい1曲です。

4. Falling In Love Again  ★★★★

こちらはマレーネ・ディートリッヒのカバー。レトロでムーディーな原曲とはかけ離れ、テクノな音作りの奇妙な楽曲に仕上がっています。ノミの歌声に合わせた面白い編曲。

5. Icurok  ★★★

クラフトワークを彷彿とさせる渋いテクノポップ。左右で高音と低音のダブルボーカルに挑戦しています。ただ歌は少なくほぼインストですね。普通にカッコいいですが地味に感じたのでこの評価。

6. Rubberband Lazer  ★★★★

ファンタジーミュージカルで妖精達が元気に行進している様をイメージさせるノリの良い一曲。勇ましく楽しそうな歌声も良いですね。

7. Wayward Sister ★★★★

一転して荘厳な雰囲気漂う一曲。短い尺の中で切迫された緊張感を感じます。

8. Ding Dong  ★★★★

ミュージカル映画「オズの魔法使い」の挿入歌のカバー。全ての役を一人でノリノリに演じきっています。

9. Three Wishes  ★★★☆

ニューウェイヴ感全開の疾走感ある一曲。後半からの流れが好きです。

10. Simple Man  ★★★★★

今作の表題曲及びベストナンバー。ノミの楽曲の中でも屈指のキャッチーさであると思います。2番サビ後からの明るさと寂しさが満ちた展開がとても素晴らしい。

11. Death  ★★★★☆

ヘンリー・パーセルの歌曲『ディドとエネアス』から選曲された一曲。まるで自分の死を予見していたかのような選曲と鬼気迫るような歌声で、現実から切り離されどこか底へ沈んでいくような感覚に襲われます。まさに絶唱。

12. Return  ★★★★

ラストは物悲しさを感じずにはいられない退廃的な雰囲気漂うアカペラ。これまでの少なからず明るさに溢れた流れが遠い過去のように感じられる、そんな最後。彼は死から戻ってきて、どこへ行ってしまったのか。


[総評]

全体の流れが抑揚に富んでおり、一つのミュージカルを聴き終えたような寂寥を感じる余韻の残るアルバムでした。歌唱力の幅に囚われないほどの気迫を感じるオペラソング、聴く者を笑顔にさせるポップソング、そしてその中間点とも言える明るさと悲哀が溢れるM2、M10のような楽曲・・・個人的にこれらはノミソングというジャンルに入れたいです。喜怒哀楽に満ちた様々な楽曲が収束するは死のように冷たい闇の中。図らずもこのアルバムはノミの人生を象徴してしまった、そんな気がします。人類から去っていった彼に最大の敬意を。

★★★★






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Posted on 2014/09/20 Sat. 16:46 [edit]  /  TB: 0  /  CM: 2

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コメント

長いねむけ様 こんばんは

クラウス・ノミ、初めて聴きましたがいいですね。
グラム・ロックの流れを汲みつつ
更にダイナミックに寄っている感じ。

やはり大仰な歌唱が素晴らしい。

ドイツ産なのにドロドロとしたダークさがないのも珍しい
と思いました。

GAOHEWGII #- | URL | 2014/09/25 17:27 - edit

Re: タイトルなし

GAOHEWGIIさん、コメントありがとうございます。
お気に召していただけたようで有難いです。

>ドイツ産なのにドロドロとしたダークさがないのも珍しい

ノミはドイツでオペラを学んだ後、ニューヨークに移住して歌手活動に勤しんでいたそうなので、互いの伝統音楽を彼なりに混ぜ合わせた結果、このようなスタイルになったのではないかと自分は思います。

長いねむけ #- | URL | 2014/09/27 14:04 - edit

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